


この記事では、WordPressプラグイン「Autoptimize」で不具合の少ないおすすめの初期設定の方法と使い方を、画像を用いてわかりやすくご紹介します。
「Autoptimize(オートプティマイズ)」は、CSS・JavaScript・HTMLなどを最適化する高速化プラグインです。
PageSpeed Insightsの「レンダリングを妨げるリソースの除外(Eliminate render-blocking resources)」を改善できます。
遅延読み込み機能もありますが、SWELL・SANGO・Cocoonなどのテーマ機能との重複に注意してください。
また、キャッシュサイズが増えると警告メールが届くため、事前に対策しておきましょう。
設定を誤ると、逆に遅くなるデメリットもあります。
なるほど!設定に注意します。
この記事を最後まで読めば、WordPress(ワードプレス)を高速化できます。
ぜひ最後まで進めてみてください。
表示速度の変化を確認したい場合、現在の状態を「PageSpeed Insights」で計測しておきましょう。
ただし、計測値と体感のスピードは違いますので、実際の挙動確認もお忘れなく。
WordPress(ワードプレス)にログインしたら、左メニューの[プラグイン]→[新規追加]をクリックして、[プラグインの検索]をします。
[プラグイン]→[新規追加]から「Autoptimize」を検索して、[今すぐインストール]した後に[有効化]します。
左メニューの[設定]→[Autoptimize]をクリックして、[JS、CSS & HTML]タブを開きます。
JavaScriptオプションで[JavaScript コードの最適化]をONにします。
重要度 | 設定項目 | 説明 |
---|---|---|
高 | JavaScript コードの最適化 | JavaScriptの縮小化 → ONに変更 |
中 | JS ファイルを連結 | JSファイルを1つにまとめる → 遅くなる場合があるためOFF |
中 | インラインの JS も連結 | インラインJSもファイル化 → [JS ファイルを連結]と同じにする |
低 | <head> 内へ JavaScript を強制 | JSファイルのhead読み込み → OFFのまま |
低 | try-catch で囲む | PHPのエラーハンドリング構文 → OFFのまま |
高 | 連結しないで遅延 | JSファイルを遅延読み込みさせる → テーマによって変わる |
低 | インライン JS も遅延 | インラインJSもファイル化して遅延される → ONのまま |
低 | Autoptimize からスクリプトを除外 | 除外するJSファイル → 不具合が起こるJSファイルを除外 |
[連結しないで遅延]をONにすると、scriptタグにdefer(遅延属性)がつきます。
読み込みファイルの遅延読み込みは、高速化にとても効果的です。
[JS ファイルを連結]よりも[連結しないで遅延]することをおすすめします。
同じ開発元で「Async JavaScript」というプラグインがあります。
scriptタグにasync(非同期属性)やdefer(遅延属性)などを設定できます。
ただし、deferであればAutoptimizeで十分ですし、asyncは不具合が生じる場合があります。
CSSオプションで[CSS コードを最適化]をONにします。
重要度 | 設定項目 | 説明 |
---|---|---|
高 | CSS コードを最適化 | CSSの縮小化 → ONに変更 |
中 | CSS ファイルを連結 | CSSファイルを1つにまとめる → 遅くなる場合があるためOFF |
中 | インラインの CSS も連結 | インラインJSもファイル化 → [CSS ファイルを連結]と同じにする |
低 | データ生成: 画像を URI 化 | 画像をCSSに埋め込み → OFFのまま |
低 | レンダリングブロックしている CSS を除去 | ファーストビューのCSSをインライン化 → OFFのまま |
低 | すべての CSS をインライン化 | すべてのCSSをインライン化 → OFFのまま |
低 | Autoptimize から CSS を除外: | 除外するCSSファイル → 不具合が起こるCSSファイルを除外 |
[CSS ファイルを連結]すると、ファイルサイズが大きくなります。
通信のリクエスト回数は減りますが、レンダリングへの影響が大きくなるためOFFを推奨します。
HTMLオプションで[HTML コードを最適化]と[インラインの JS/CSS も最小化]をONにします。
重要度 | 設定項目 | 説明 |
---|---|---|
高 | HTML コードを最適化 | HTMLの縮小化 → ONに変更 |
高 | インラインの JS/CSS も最小化 | インラインコードの縮小化 → ONに変更 |
低 | HTML コメントを維持 | コメントの削除停止 → OFFのまま |
低 | CDN のベース URL | cacheファイルをCDNに書き換え → CDN未使用ならOFFのまま |
インラインのJS・CSSはここで最適化設定します。忘れずに設定しておきましょう。
その他オプションはそのままで[変更の保存とキャッシュの削除]をクリックします。
重要度 | 設定項目 | 説明 |
---|---|---|
低 | 連結されたスクリプト / CSS を静的ファイルとして保存 | ファイルとして保存 → ONのまま |
低 | 404 フォールバックの使用 | cacheが404の場合の予備 → ONのまま |
中 | ログイン状態の編集者、管理者にも最適化を行う | ログイン時の最適化 → ONのまま |
低 | 投稿/ページごとに設定 | エディター設定の表示 → ONのまま |
[ログイン状態の編集者、管理者にも最適化を行う]をOFFにすると、管理者としてログインしているときにAutoptimizeが効かなくなります。
そうすると、毎回ログオフ状態で確認することになり、デザイン崩れなどの不具合に気づきにくくなります。
[投稿/ページごとに設定]がONの場合、投稿/固定ページのエディター(編集画面)にAutoptimizeの設定メタボックスが表示されます。
「Autoptimize」は、画像のWebP化や遅延読み込みも可能ですが、他のプラグインを使用することを推奨します。
[画像]タブは、何も設定しません。
重要度 | 設定項目 | 説明 |
---|---|---|
中 | 画像最適化と CDN | 外部URLからWebP画像を配信 → 事前変換できないのためOFF |
低 | 最適化の除外 | 画像最適化の除外設定 → 不具合が起こる画像を除外 |
低 | 画像最適化の品質 | 最適化の画質設定 → Lossy(画質低)〜Glossy〜Lossless(画質高) |
低 | 対応ブラウザでは AVIF を読み込む | WebPではなくAVIF画像に変換 → 対応ブラウザ少ないためOFF |
中 | 画像の遅延読み込み (Lazy-load) を利用 | 画像を遅延読み込み → 機能重複しやすいためOFF |
[画像最適化と CDN]をONにすると、画像がオンザフライでWebPに変換されます。
オンザフライは、ユーザーがページにアクセスしたときに、初めて画像を変換するということです。
事前に変換画像を準備しておいたほうがいいですので、「EWWW Image Optimizer」「LiteSpeed Cache」などを使用してWebP化することをおすすめします。
画像等の遅延読み込みは、SWELL
もしくは、「EWWW Image Optimizer」「LiteSpeed Cache」などのプラグインでも可能です。
クリティカルCSS(Critical CSS)については、有料機能で難易度が高いためここでは割愛します。
[追加]タブを開いて、Googleフォントの[結合とヘッダーでのリンク]と[絵文字の削除]をONにします。
重要度 | 設定項目 | 説明 |
---|---|---|
中 | Google フォント | Googleフォントの読み込み → [結合とヘッダーでのリンク]に変更 |
高 | 絵文字の削除 | WordPress標準のアイコンフォントの読み込み → 読み込みを減らすためON |
低 | 静的リソースからクエリー文字列を削除 | URLのクエリ文字列を削除 → OFFのまま |
中 | WordPress のブロック CSS を除去 | ブロックエディタCSSを削除 → 高速化できるが不具合が出やすいためOFF |
[Google フォントの削除]をONにすると、Noto SansなどのGoogleフォントを読み込めなくなる場合があります。
[結合とヘッダーで遅延リンク]をONにすると、PageSpeed Insightsのスコアはよくなりますが、フォントが後から切り替わる場合があります。
[結合とヘッダーでのリンク]をONにすることをおすすめします。
WordPressには、初めからアイコンフォント(絵文字)が準備されています。
ほとんどの場合使用しないため、読み込みを減らすために[絵文字の削除]をします。
URLのクエリ文字列を除去すると、キャッシュが効いて高速化可能です。
しかし、そもそもクエリ文字列はキャッシュさせたくない場合に付与するものです。
そのため、[静的リソースからクエリー文字列を削除]をONにする際は慎重に行いましょう。
[WordPress のブロック CSS を除去]はブロックエディタで追加されるCSSを除去します。
不要なCSSを削除することで高速化できますが、デザイン崩れなどの不具合が生じやすいです。
その他の設定はそのままで[変更を保存]します。
重要度 | 設定項目 | 説明 |
---|---|---|
低 | サードパーティのドメインに事前接続 | DNS preconnect設定 → 空欄のまま |
低 | リクエストの事前読み込み | preload設定 → 空欄のまま |
低 | 非同期 JavaScript ファイル | JSファイルのasync設定 → 空欄のまま |
preconnectもpreloadも上級者向けの設定です。
カスタマイズを行なった場合や不具合が発生した場合は、一度キャッシュをクリア(パージ)することをおすすめします。
アドミンバーから[Autoptimize]→[CSS/JS キャッシュ消去]します。
Autoptimizeを導入して使用していると、突然「Autoptimize のキャッシュサイズ警告」というメールが届くことがあります。
Autoptimize のキャッシュサイズが肥大化してきたので、キャッシュの削除を検討してください。
Autoptimize のキャッシュサイズ警告
キャッシュをクリアしても繰り返し警告メールが届きます。
警告メールを止めるには、以下のコードを子テーマなどのfunction.php
に貼り付けてください。
function manuon_autoptimize_maxsize() {
return 10 * 1024 * 1024 * 1024;
}
add_filter('autoptimize_filter_cachecheck_maxsize','manuon_autoptimize_maxsize');
この例では、キャッシュサイズの上限値を10GBまで上げています。
子テーマを使いたくない場合は、「Code Snippets」プラグインがおすすめです。
プラグイン「Autoptimize」のおすすめの設定方法と使い方を見てきました。
念のためデザイン崩れやコンタクトフォームなどの動作確認をおすすめします。
表示速度の変化を確認したい場合は、再度「PageSpeed Insights」で計測してみましょう。
ただし、計測値と体感のスピードは違いますので、実際の挙動確認もお忘れなく。
ページ表示が速くなりました。
よい結果が出たら、ぜひ教えてください。
キャッシュの上限値に達したためです。
対策はこちらをご覧ください。
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